南米は世界のアラビカ種のコーヒー生産の過半数以上を占めています。
生産量1位のブラジル、3位のコロンビアに加えて、ペルー、ベネズエラ、ボリビア、エクアドルなどでも生産されています。
高品質の豆といえば、やはりブラジルとコロンビアが筆頭です。
大規模農場で中程度の品質の商業的な豆を生産している地域も多いのですが、小規模ながらこだわった生産をしている農園も多数あります。
その多様性は、さすがにコーヒー王国といわれる2か国です。
ブラジルだけでも「スペシャルティコーヒー」と呼ばれるランクの豆を生産する農場が40以上あるといわれるほどです。
コロンビアは大規模農園が多いブラジルと比べると5ha未満の小規模な農園が多く、全体の3分の1を占めるといわれています。
コロンビアもスペシャルランクの豆が多く栽培されています。
南米のコーヒー豆の特徴は味のバランスがよく、初心者にもおすすめ
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南米のブラジルは国土が広大なため、気象や地理的な条件がコーヒー豆の産地によって異なり、コーヒー豆のテイストが多様で、農園それぞれに個性があります。
全体的に酸味は他国より少なく、やわらかいものが多めです。
コロンビアの豆は、まろやかな甘みとしっかりしたコクが特徴といわれていますが、最近は甘い香りと良質の酸味を売りにするものが増えてきました。
高品質の豆であれば、どちらの豆もバランスがいいものが多いため、初心者が標準を知るためには適しています。
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南米のコーヒー豆の生産はブラジルが世界第一位!
2017年全世界のコーヒー豆の生産量は9,212,169トンで、そのうち2,680,515トンがブラジルア産のコーヒー豆です。
世界シェアは約29.1%で、世界第1位の生産量です。
ブラジルの他にトップ10に入った南米の国は、コロンビアで世界第3位(生産量1,542,398トン、シェア約8.2%)
他には
第7位:ペルー(生産量346,466トン、シェア約3.8%)
第21位:ベネズエラ(生産量46,650トン、シェア約0.5%)
第29位:ボリビア(生産量21,181トン、シェア約0.2%)
第42位:エクアドル(生産量7,564トン、シェア約0.1%)
全世界のコーヒーの約4割が南米産のコーヒー豆です。
日本で飲まれているコーヒーの28%がブラジル産のコーヒーです。
2018年、日本で飲まれているコーヒー豆の111,955トンがブラジル産のコーヒー豆で、国内シェアは第1位の約28.0%す。
つづいてコロンビアの3位で64,201トン(シェア約16.0%)
他には
第10位:ペルー 4,813トン(シェア約1.2%)
第11位:エルサルバドル 2,578トン(シェア約0.6%)
2017年生産量Top10
国名 | 数量 (世界シェア) |
第1位 ブラジル |
2,680,515トン (29.1%) |
第2位 ベトナム |
1,542,398トン (16.7%) |
第3位 コロンビア |
754,376トン (8.2%) |
第4位 インドネシア |
668,677トン (7.3%) |
第5位 ホンジュラス |
475,042トン (5.2%) |
第6位 エチオピア |
471,247トン (5.1%) |
第7位 ペルー |
346,466トン (3.8%) |
第8位 インド |
312,000トン (3.4%) |
第9位 グアテマラ |
245,441トン (2.7%) |
第10位 ウガンダ |
209,325トン (2.3%) |
資料:GLOBAL NOTE
2018年輸入量Top10
国名 | 数量 (国内シェア) |
第1位 ブラジル |
111,955トン (28.0%) |
第2位 ベトナム |
98,513トン (24.6%) |
第3位 コロンビア |
64,201トン (16.0%) |
第4位 インドネシア |
30,364トン (7.6%) |
第5位 エチオピア |
26,739トン (6.7%) |
第6位 グアテマラ |
24,117トン (6.0%) |
第7位 タンザニア |
15,475トン (3.9%) |
第8位 ホンジュラス |
6,624トン (1.7%) |
第9位 ラオス |
5,656トン (1.4%) |
第10位 ペルー |
4,813トン (1.2%) |
資料:財務省「通関統計」
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ブラジルは押しも押されもせぬコーヒー大国
世界No.1のコーヒー生産国ブラジル。
その量は世界の総生産量のおよそ3割を占めています。
今から約100年前、ブラジルの奴隷制度廃止に伴う労働力不足と、サンパウロ州のコーヒー栽培が盛んになったことを受け、ブラジルへ多くの日本人が移住しました。
その移住した日系人の苦労が、ブラジルのコーヒー産業を世界第一位のまで押し上げました。
日本人とブラジルのコーヒーは切っても切れない関係なのです。
ブラジルでのコーヒー豆の呼び方
一般的には「ブラジル」、もしくはブラジルの代表的な輸出港「サントス港」にちなんで「サントス」と呼ばれています。
「サントス No.2」など、格付けを表す等級と一緒に表記されることもあります。
栽培品種
アラビカ種/カネフォラ種ロブスタ(主にアラビカ種)
香味の特徴
非水洗式アラビカ
甘みを伴った、やわらかな苦味と適度な酸味
水洗式アラビカ
甘い香りとすっきりした酸味、爽やかな後味
ブラジルのコーヒー豆のグレード
ブラジルの格付けは、
- 欠点豆や異物の混入数
- スクリーンサイズ
- カップ(味わい)
の三点で複合的に行われます。
他の国の格付けと比べるとちょっと複雑です。
①欠点豆や異物の混入数でのグレード
ランダムに抽出された300gのサンプルの中に含まれる減点合計からグレードを割り出します。
主な表記 | 減点の合計数 |
No.2 | 4点以下 |
No.3 | 8点以下 |
No.4 | 26点以下 |
No.5 | 46点以下 |
No.6 | 86点以下 |
No.7 | 160点以下 |
No.8 | 360点以下 |
②スクリーンサイズでのグレード
スクリーンサイズは20から13までの8段階で分類されます。
主な表記 | スクリーンサイズ |
20 | 最大 |
19 | ↑ |
18 | ↑ |
17 | ↑ |
16 | ↑ |
15 | ↑ |
14 | ↑ |
13 | 最小 |
③カップ(味わい)でのグレード
カップ(味わい)は主に不快な刺激をどれだけ感じるかで5段階に分類されます。
主な表記 | 条件 |
STRICITY SOFT | 不快な刺激のない滑らかな味わい |
SOFT | 滑らかな味わい |
HARD | 刺激を感じる味わい |
RIOY | やや不快な刺激を感じる味わい |
RIO | 不快な刺激を感じる味わい |
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ブラジルの代表的なコーヒー豆
【ブラジル・サントス №2】はブレンドのベースに格好

ブラジルNo.2#18
ブラジル産の豆はサントス港から出荷されるためこの名がついています。
№2というのはブラジルの輸出規格による等級です。
とはいえこの規格は非常に厳しく、№1はありません。
つまり実際には№2が最高級品となります。
コーヒーらしい香ばしいバランスのよさが魅力です。
ブラジル・サントス№2の詳細
グレード | コモディティコーヒー |
適した焙煎度 | 中煎り~深煎り (ハイロースト~フルシティーロースト) |
香り | |
酸味 | |
甘み | |
苦み | |
コク |
【ブラジル・サントス・モジアナ】はコーヒーの代名詞
世界中から熱い支持を集めているブラジル生まれのコーヒーは、多くがサントス港から出荷されていることから、「サントス」の名がつけられます。
中でも良質で人気の高いモジアナ地区産のコーヒー豆は、強すぎず、やわらかすぎない適度な苦みと、あっさりとした香ばしさが魅力です。
ブラジル・サントス・モジアナの詳細
グレード | プレミアムコーヒー |
適した焙煎度 | 中煎り~深煎り (ハイロースト~フレンチロースト) |
香り | |
酸味 | |
甘み | |
苦み | |
コク |
【ブラジル・アリアンサ・RA】は日系人らしい丁寧な豆づくり
日系人が経営するアリアンサ農園は、世界シェア40%を有するコーヒー生豆精選。選別機械メーカーと手を組んで生産を行っています。
サンパウロ州モジアナ地区というコーヒー作りに適した気候と、管理の行き届いた設備を活用して、ブラジルらしいクリアなコーヒーを作っています。
ブラジル・アリアンサ・RAの詳細
グレード | プレミアムコーヒー |
適した焙煎度 | 中煎り~深煎り (ハイロースト~フルシティーロースト) |
香り | |
酸味 | |
甘み | |
苦み | |
コク |
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コロンビアの農園ではラバもお手伝い
南米ではブラジルに次いで第2位の国別生産量を誇るコロンビア。
コーヒーの商業取引上の分類であるマイルドコーヒーの代名詞としても知られています。
国土の大半が山岳高原地帯で、収穫したコーヒーの運搬にはラバが使われることも。
コロンビアのコーヒー豆の呼び方
一般的には「コロンビア」と呼ばれています。
「コロンビア メデリン」などの地域名や、「コロンビア スプレモ」など格付けを表す等級と一緒に表記されることも。
栽培品種
アラビカ種
香味の特徴
水洗式アラビカ
甘い香りとしっかりした酸味とコク、重厚な風味
コロンビアのコーヒー豆のグレード
コロンビアではスクリーンサイズで2段階に分類されています。
主な表記 | スクリーンサイズ |
SPREMO | 17(6.8mm)以上 |
EXCELSO | 14(5.6mm)以上16(6.4mm)以下 |
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コロンビアの代表的なコーヒー豆
【コロンビア・スプレモ・ナリーニョ】はスプレモの最高品質

コロンビア ナリーニョ スプレモ
エクアドルとの国境近くに位置するナリーニョ地区で栽培されています。
アンデス山脈の澄んだ水を利用しているため、きわめてクリアでまろやかなテイストのスプレモ(大粒)豆です。
苦みと酸味のバランスが非常によく、甘みがより強く感じられるのが特徴です。
コロンビア・スプレモ・ナリーニョの詳細
グレード | スペシャルティコーヒー |
適した焙煎度 | 中煎り~深煎り (シティロースト~フレンチロースト) |
香り | |
酸味 | |
甘み | |
苦み | |
コク |
【コロンビア・ナランホ】はSCAAコンテスト」第1位
小規模生産を貫き、味にこだわるナランホ農園。
ナランホとはスペイン語でオレンジの意味で、そのイメージどおり上品で華やかな酸味としっかりした甘みが感じられます。
2009年米国スペシャルティコーヒー協会(SCAA)のコンテストで1位に輝いたお墨付きの豆です。
コロンビア・ナランホの詳細
グレード | スペシャルティコーヒー |
適した焙煎度 | 中煎り~深煎り (シティロースト~フルシティーロースト) |
香り | |
酸味 | |
甘み | |
苦み | |
コク |
【エメラルドマウンテン】はコロンビアの象徴

エメラルドマウンテン
エメラルドと冠することが許されるのは、FNC(コロンビア国立生産者連合会)の厳しい審査を通過したごくわずかなものです。
量が非常に少ない、まさに宝石のようなコーヒー豆です。
なめらかさに秀でたマイルドコーヒーの極みともいうべき比類なき香りを持つ清楚で、高貴な味わいです。
エメラルドマウンテンの詳細
グレード | スペシャルティコーヒー |
適した焙煎度 | 中煎り~深煎り (ハイロースト~フルシティーロースト) |
香り | |
酸味 | |
甘み | |
苦み | |
コク |
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ペルーの代表的なコーヒー豆
【モンテアルト・オーガニック】は有機栽培、手摘みの逸品

ペルー オーガニック
モンテアルトはペルーの北部に位置する地域で、この地は天然資源やエコロジーの構成要素である微生物が豊富なため、多様な植物や生き物が棲息しています。
有機栽培は標高1650mで5つの栽培農家によって行われており、すべての豆が手摘みで収穫されています。
モンテアルト・オーガニックの詳細
グレード | スペシャルティ |
適した焙煎度 | 中煎り~深煎り (シティロースト~フレンチロースト) |
香り | |
酸味 | |
甘み | |
苦み | |
コク |
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世界のコーヒー豆の産地
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