お気に入りのカフェでのんびりしているとき、ここが職場だったら、と考えたことはありませんか?
今のお仕事の職場をカフェに、というのはちょっと難しいかもしれませんが、カフェの店員になることはできます。
また、コーヒーに関するお仕事はそれだけではありません。
ここでは、コーヒー好きならちょっとあこがれてしまう、コーヒーに関連したお仕事をご紹介します。
カフェ店員、マスター
コーヒー関連のお仕事として最初に思い浮かぶものといえばこれでしょう。
おしゃれなカフェでの接客やドリッパーを使用した抽出など、いかにもプロっぽい仕事にあこがれる方も多いのではないでしょうか。
アルバイトなどでカフェのフロア係をやるのであれば、必要な資格や経験はさほど多くありません。
気持ちのよい笑顔や受け答えができ、清潔感のある身なりを整えられれば未経験でも採用してくれるカフェは多いでしょう。
ただ、地域によっては希望者数が求人数を大きく上回るケースも多く、採用されるかどうか、というより求人を見つけられるかどうかも時の運となる場合も少なくありません。
お仕事の内容としては、フロアでの接客や商品の上げ下げ、フロアの掃除、整理整頓、簡単な調理などがあり、お店によって任される範囲はまちまちです。
「コーヒーを上手に淹れられるようになりたい」という動機で働き始めたのに、実際働いてみたら接客しかさせてもらえない、なんてことがないよう、求人の内容を良くチェックし、面接時などにも確認しておきましょう。
カフェのマスターとして働くには、自分自身でお店を開くか、自分ではお店に出ないオーナーにお店を任されるかする必要があるため、店員として働くよりはハードルが上がります。
自分で開業する場合は初期費用として数百万円の準備金が必要になる上、経営が軌道に乗るまでの生活費なども必要になります。
人に任せてもらう場合は、フランチャイズのオーナー制度を利用するか、年齢などの事情で引退する方のお店を引き継ぐなど、運も含めた難しい条件をクリアする必要があります。
ライフスタイルや働き方の変化から、ただでさえ年々カフェの店舗数が減少している今の日本において、個人経営のカフェが順調に長年営業していける可能性はあまり高くはありません。
でも、やはり自分の考え方やセンスで、思い通りのカフェを経営するというのは、非常に魅力的な働き方と言えるでしょう。
目指すカフェのイメージにもよりますが、取得が難しい資格などは特にありません。
ただし、こなさなければいけない業務は多岐にわたり、特に個人経営の場合はコーヒー関連や接客などの仕事はもちろん、経理や仕入れ、材料や消耗品の管理、人を使う場合は人材教育などの能力も必須になります。
税金を含む法律の知識もいるため、事前の入念な準備が肝心であると言えるでしょう。
まとめ
- カフェの店員やマスターはコーヒー関連の仕事のメインであり、憧れる人も多い。
- 店員はアルバイトなどでもなれるため、全体的なハードルは低い。
ただし求人倍率が高い可能性があり、思うとおりの仕事ができない可能性も。 - カフェのマスターは自分で開業するか人に任されるかしなければならず、気軽になれるものではないが、それでも魅力的な仕事といえる。
コーヒー豆流通関連
飲み物としてのコーヒーよりも、コーヒー豆に深く関わるお仕事がしたければ、流通に関するお仕事を探すという手もあります。
コーヒー豆は生産者から国外のバイヤー、輸入専門業者、商社などを通して日本に入り、中間卸業者や大規模ロースターなどを中継してカフェへとやってきますので、自分のスキルや興味に合わせて求人を探してみると良いでしょう。
中でも特に、国外へ直接出向きコーヒー豆の買い付けをしたり生産者と交渉する輸入業やバイヤーは、コーヒーという魅力的な飲み物の原点を探ることができるという独特のメリットがある仕事です。
仕事ができるレベルの外国語など高いスキルが必要になる上、求人自体がかなりレアではありますが、他の仕事では絶対に味わえない体験をいくつもすることができるはずです。
またそこまで思い切らずとも、国内での橋渡しをする中間卸やカフェ向けのロースターなどの仕事でも、コーヒー豆に深く関わることができます。
世界中の豆を集め、品質をチェックし、各カフェへ届ける役割を担うこれらの仕事は、一箇所の生産地や一つの品種ではなく、世界全体のコーヒー豆の生産量や流行などを見渡すことができます。
コーヒーという作物・商品を通じて、現在の世界情勢も垣間見ることになるかもしれません。
そして、その中から自分が薦めたい銘柄を決めてカフェへと説明し販売するのは、とてもやりがいのある仕事と感じられるのではないでしょうか。
「地域名+コーヒー豆 卸」などのワードで検索することで、いくつも会社が見つかりますので、まずは具体的にどんな考え方で経営されているかなどをチェックしてみましょう。
まとめ
- コーヒー豆の流通に携わる仕事もいろいろな段階のものがある
- 海外で直接生産者や現地の会社から買い付ける仕事は、必要能力も求人もレアだが他にはない体験ができる
- 国内の流通に関する会社の業務は、コーヒーを通して世界を感じ、その中から販売したい銘柄を決める大きなやりがいを感じられる仕事
コーヒー器具販売
コーヒーを抽出したり飲んだりするコーヒー用品を販売するのも、忘れては行けない大事な関連職業です。
いろいろな会社がありますが、大きく分けて「メーカー」と「小売」に分類できるでしょう。
コーヒー器具のメーカーは、カフェ向け、もしくは一般向けのコーヒー関連用品を製造・販売する会社です。
各地のカフェなどプロへの販売、小売店を通しての一般への販売、そして新しい器具やグッズの開発などが主な業務になります。
コーヒーの抽出は簡単でありながら奥が深く、まだまだ新しい研究があらゆる方向へ進められています。
また、コーヒー豆の品種や焙煎のトレンドが移り変わることで、求められる機能や形状も変化するため、コーヒーが飲まれ始めてから数百年経った今も、新商品の開発の需要がなくなることはないのです。
開発に携わるには、工学、化学、栄養学などの高いスキルが必要だと予想されます。
小売業は、これらの器具を主に一般の人々向けに販売する仕事になります。
デパートなどのカフェ用品コーナーや、コーヒー専門店などがこれに該当します。
一つずつの機能の説明はもちろん、同じような製品の違いについても理解していなければいけないため、扱う商品の数が多くなるほど覚えることが増えていき、しかも新製品が入るたびに知識を更新し続けなければなりません。
ある程度体系化していくことで無難にこなすこともできますが、深く理解しようと思えばどこまででも追求することのできる、終わりのない努力が求められる仕事といえます。
でも、コーヒーに対して興味を持ち始めた人や、よりよい一杯のための道具を探しにきた人に、最適なものを示して導くことにやりがいを感じられるのであれば、その努力もつらくは感じないのではないでしょうか。
一般的な接客スキルや知識があれば応募できる求人がほとんどのはずです。
大きなお店の場合、自分の希望する売り場を担当できるとは限らないので、面接などでよく確認し、自分の希望を伝えておきましょう。
まとめ
- コーヒー器具に関する仕事は、「メーカー」と「小売」がある
- 器具のメーカーでは、いまでも時代に合わせたコーヒーの味を引き出す研究や、新しい製品の開発が行われている
- 小売業は新製品や各種器具の違いなど、知識を常に最新のものにアップデートし続けねばならない仕事だが、一般層にただしい道具と知識を伝える重要な仕事でもある
コーヒー飲料企画
ちょっと切り口が変わりますが、缶コーヒーやポーション、コンビ二コーヒーなど「コーヒー飲料」の製造販売に関する仕事も、広義ではコーヒーに関わる仕事と言えるでしょう。
コマーシャルコーヒーとそこから生み出されるコーヒー原料を使用するコーヒー飲料は、一般的に思い描くコーヒーとはちょっと違った飲み物かもしれません。
でも、現代の忙しいライフスタイルや働き方に合う「日常的に飲めるコーヒー」として、特に日本ではなくてはならない商品となっています。
競争の激しいこの業界において新製品開発は重要な部門であり、誰もが関わることのできるわけではありません。
大学などで関連する知識などをしっかり身につけ、就職後も長い時間が必要となるはずです。
それでも、開発した製品を飲んでもらうことのできる顧客の層はカフェなどで提供されるコーヒーの比ではなく、ヒット商品ともなれば日本全国で飲まれることになります。
コーヒーに関連して、規模の大きな仕事をしたい人向けであると言えるのではないでしょうか。
まとめ
- コーヒー飲料の製造販売も、広い意味ではコーヒー関連の仕事といえる
- 缶コーヒーやコンビニコーヒーなどは、本格的なコーヒーとはまったく違うものではあるものの、現代日本ではなくてはならない飲み物になっている
- 勉強や下積みに労力のいる仕事だが、製品が届く範囲はものすごく広いため、規模の大きい仕事をしたい人に向いている